東京高等裁判所 昭和46年(ネ)1892号 判決
以上の認定事実によれば、控訴人は、前記白紙委任状及び印鑑証明書を渡辺に交付するに際し、これら書類がさらに第三者の手に渡り、その者によって行使されてもやむをえないと考えていたのであるから、当然「とくに前記の書類を何人において行使しても差し支えない趣旨で交付した」ものというべきであり、従って右渡辺からさらに右各書類の交付を受けた第三者たる飛田に対し金銭借入れに関し本件建物を担保とすることにつき包括的代理権を授与する旨を表示したものにほかならないのであって、被控訴人及びその代理人である康原が右各書類の呈示を受け、飛田に控訴人の代理権があるものと信じ、かつ、これにつき正当の事由があるものと認めるのが相当であるから、控訴人は、民法第一〇九条により飛田のした前記契約につきその責を免れることはできないといわなければならない。
(石田哲 小林 関口)